国際共同制作戯曲「雌鹿(原題:DOE2.0)」 日本公演のお知らせ

羊屋白玉(指輪ホテル)とトリスタ・バルドウィン(The Playwrights' Center of Minneapolis)は、2009年12月11日(金)と13日(日)の二日間、東京都の森下スタジオにて、国際共同制作戯曲「雌鹿(原題:DOE2.0)」の日本公演を行います。
この戯曲は日本人とアメリカ人の俳優によって、日本語と英語で演じられます。長年「女性からの視点と身体」に注目し舞台をつくりあげてきた羊屋と、米国の著名な劇作家集団であるプレイライツセンターに所属するバルドウィンの二人が共同で作品を作り上げることにより、それぞれの文化的背景による視座の違いや共通点などを浮かび上がらせ、現代人が抱える苦悩と欲望を描き、愛について言語についての思索を重ねた意欲的な作品として発展します。
「雌鹿(原題:DOE2.0)」の前身である「DOE 雌鹿」は、原作者であるバルドウィンによって米国で、そして羊屋の演出によって 2007年東京で行われた東京国際芸術祭でもドラマリーディングの形式で上演され、米Variety紙での激賞をは じめ、高い評価を得ています。今回上演される最新版「雌鹿」は、その経験と参加俳優や観客からフィードバックを元に作り上げる、まったく新しい「雌鹿」です。本公演でも、終了後に評論家・小説家として幅広く活動する小谷野敦氏と米国在住の日系アメリカ人作家Midori氏をゲストに迎えて観客と共にラウンドテーブルを開催し、ここで得られたフィードバックを元に、「雌鹿」はさらに形を変えていく予定です。
「雌鹿」はセゾン文化財団の長期的な支援の元、2012年の完成を目指してワークショップや公演を各地で行っています。本公演もその一環として行われ、2010年ミネアポリスとニューヨーク、2011年に東京で再度の公演を行った後、アメリカで2011年、日本で2012年に完成版が上演される予定です。
師走のご多忙な時期とは思いますが、万障繰り合わせの上ご来場いただければ幸甚です。

Announcement

“Doe 2.0”

International Collaborative Work

Shirotama Hitsujiya (YUBIWA Hotel) and Trista Baldwin (The Playwight’s Center of Minneapolis) will present their creation, an international collaborative work, “Doe 2” on December 11th and 13th at the Morishita Studio in Tokyo.

The play will be performed by Japanese and American actors. Hitsujiya, has been creating stages focusing on the viewpoint of women and women’s bodies for a long time, and Baldwin belongs to the playwrights’ Center in Minneapolis, which is a well-known playwright’s group. They are collaboratively producing the work, and it will express “the difference and similarity of the point of view by the two creators. Hitsujiya and Baldwin who have different cultural backgrounds, exposes the agony and desires of people who live in a modern society. This presentation will be developed as a motivational work by piling up trials, persuading the love, and expressing the languages.

“Doe 2” has been supported by the Saison Foundation for three years, and it will be completed in 2010 after some workshops and showing in the several places.

This time the showing is part of the three-year-project, and after the showing in Minneapolis in 2010, and New York in 2011, the completed version will be performed in 2012.


Hope to see you at the Morishita Studio.

2009年12月7日月曜日

ラウンドテーブルゲスト プロフィール

(12月13日 ラウンドテーブルゲスト)

小谷野敦 Ton Koyano

1962 年、茨城県水海道市生まれ。東京大学文学部英文学科を卒業した後、同大学大学院総合文化研究科比較文学比較文化専攻修士課程へ進学。2年間のブリティッシュコロンビア大学留学を経て、東京大学大学院比較文化専攻博士課程へ。単位を取得し満期退学。94年より、大阪大学言語文化部専任講師となり、97年同大助教授に昇格。同年に東大博士号(超域文化科学)を取得している。99年に『もてない男~恋愛論を超えて』をちくま新書より刊行。新書としては異例の、 10万部を越えるベストセラーとなった。01年からは東大非常勤講師(09年3月まで)をするかたわら、数多くの著書を発表。02年『聖母のいない国』でサントリー学芸賞受賞。07年には文學界で初の小説『悲望』を発表。自身の米国留学時代の恋愛経験を投影した私小説風の作風で話題となった。同年後半に発表した2作目の自伝的小説『童貞放浪記』は2009年に完全映画化され、現在日本各地にてロードショー上演中。文芸批評、演劇、歴史、ジェンダー論などフィールドは幅広く、独自の「男性論」を展開。また、論壇・文壇のもたれ合いへの鋭い批評も行っている。著書に『日本売春史――遊行女婦からソープランドまで』』『なぜ悪人を殺してはいけないのか――反時代的考察』『恋愛の昭和史』ほか。
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(12月11日,13日 ラウンドテーブルゲスト)

Midori

www.ranshin.com
www.planetmidori.com

サンフランシスコ在住の日系アメリカ人。京都生まれ、13歳まで東京で育つ。渡米後、米軍に入隊し、予備軍諜報部員として活動を行いつつ、カリフォルニア大学バークレー校の心理学部を卒業。人間のセクシュアリティー、特にSM・フェティッシュを含むオルタナティブ・セクシュアリティに関する教育者及び作家として活躍している。その傍らで、インスタレーションやパフォーマンスを用いてユーモアとグロテスクの端を行き来しつつ知覚の境界線を揺るがすアート活動を精力的に展開。TVやラジオ出演、講演会、ワークショップ、パフォーマンスのため、世界中を駆け回っている。ベストセラーになった「Wild Side Sex: the Book of Kink」「The Seductive Art of Japanese Bondage」、「Master Han’sDaughter」といった著書のほか、「Vogue」「Playboy」「Wired」など多数のメディアで文章を発表。活動の場はフォーマルからアンダーグランドまで幅広く、シンガポールの演出家オン・ケン・センとの共同作業として Das Arts (オランダ) やTanzquartier Wien (オーストリア)といったアート機関でワークショップを指導したほか、ロンドンの悪名高きTorture Gardenなどでも頻繁にパフォーマンスを行っている。。

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